飲食店の腰壁と天井に、オークのパネリング材をご採用いただきました。

こちらは0.2mm厚の突板を表層に使用したマルチレイヤー（複合）タイプのパネリング材で、基材にはＭＤＦ（中密度繊維版...木材などの植物繊維を細かく粉砕したものに、合成樹脂を加えて熱圧成形したもの。均質・軽量・安価かつ安定性も高く、環境への負荷も少ない素材として幅広く使用されています）を使用しています。無垢材、特にオークのような硬質な広葉樹の場合、薄くすればするほど反りや捻じれが生じやすくなりますが、こうした構造にすることで総厚5.9mmという薄さを実現しました。施工性も良く、環境にも優しい、扱いやすい壁・天井材です。

腰壁部分は汚れに強くメンテナンス不要なつや消しウレタン塗装品（OKPAT）で、つや消し仕上げのため木材本来の風合いを損ねることなく、自然な質感を楽しめます。

天井には無塗装品（OKPAM）をご採用、現場でブラウン系の着色塗装を施されました。少し濃いめの色味で着色することで木材特有の色幅・色差を和らげており、オーク材の力強い木目を活かしつつ少しだけ素材感を抑えた、上品な印象になっています。

同じ素材にひと手間をかけて使い分けることで、メリハリをつけながら統一感を持たせた、センスあふれる巧みな素材使いの好例です。

設計：吉原環建築設計