自然塗装とは塗装面に塗膜をつくらず、木の繊維に成分を含浸させることで木材を保護します。木材の表面塗装は大きく分けて、この植物系塗料を含浸させる(浸み込ませる)「自然塗装」と表面に樹脂系の塗料を塗装する「ウレタン塗装」や「UV塗装」があります。
自然塗装は塗装後も木材の呼吸を妨げず、木材本来の調湿作用や手触りが生かされます。個人レベルでメンテナンスができるのも利点です。ただ、水拭きの掃除ができなくなります。また、ウレタン塗装に比べて耐水性が低いため年に1~2回のメンテナンスなどが必要になります。
また、メープルやウォールナット等硬い木材に塗ると滑りやすくなりますのでご注意ください。なお、最初は滑りやすいですが、しばらく使用していると滑りにくくなります。
自然塗装の樹脂系の塗装の特徴をまとめましたので参考にしていただければと思います。
自然塗装 | 樹脂系塗装 | |
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耐久性 | 2~3年毎に塗り足す必要あり。 | 塗料そのものは塗り足す必要はないが、ワックスをかけないと光沢がなくなる場合がある。 |
傷 | 表面に塗装膜がないため傷は付きやすいが、表面に光沢がないため、傷そのものは目立ちにくい。 | 硬質の塗膜を施している場合、傷は付きにくい。ただし、通常の硬度の場合、傷が付いた場合、表面に光沢があるため傷が光に反射して目立ちやすい。 |
補修のしやすさ | 表面に塗装膜がないため、床材の表面をサンディングすればDIYで補修できる。 | 基本的にプロのリペア業者でないときれいな補修はできない。 |
木の風合い | 木の風合い、そのままである。 | 人工的な風合いになりがちである。 |
現場で塗装する時の注意 | オイルを塗ったウエスをそのまま放置していると発火する恐れがあるのでウエスは必ず水を張ったバケツ等に捨てる。 | 樹脂系塗装は埃や塵が表面に付いてしまうことがあるので現場塗装は極力避ける。 |
水拭きできるか | 水拭きは基本的に不可。汚れた部分のみ塗料メーカー専用のクリーナーで除去する。 | 薄く水拭きする程度であれば可。 |